国の有形文化財に登録

旅館かみなか

2011年12月10日 09:00

昨日(12月9日)文化財審議会にて

『旅館かみなか 本館』(明治中期~大正)
『旅館かみなか 土蔵』 が
国の有形文化財に登録される答申をいただきました。『国登録有形文化財』



(昭和12年撮影)


文化財の体系としては、
大きく6つに枝分かれしております。

・有形文化財

・無形文化財

・民俗文化財

・記念物

・文化的景観

・伝統的建造物群


その中の 有形文化財

そこから2つに枝分かれします。

・重要文化財(指定)

・登録有形文化財(登録)

(重要文化財の中でも貴重なものが国宝と指定されます)


文化財登録を申請するに当たり
飛騨高山には当館よも100年余り古い伝統建造物など多々あるという点などで
最初、正直複雑な心境ではありましたが
1つ大きな点「歴史的景観に寄与しているか」という事が基準の最も重要視されると言うこと。
それに値するのではと言うお言葉を頂戴し申請に動き出した次第です。


当館は典型的な遊郭建築であります。
現住所 高山市花岡町。
かつて、花岡廓と呼ばれており
明治21年より廓として営業。
法令改正により旅館へ転業。
内装などは大幅な改変が行われておりますが、
春慶塗のふすまなど、ところどころに創建当時のまま残されております。
何よりも
現在残っている遊郭建築としては当館が唯一のものとなります。
(かなり省略しての説明になりましたが)



(2011年6月撮影 敢えてモノクロにて。昭和12年の外観と比べていただくと
わかると思いますが、ほとんど変わらないまま残っております。)


最初にも述べましたが、
高山市内には数多くの歴史的・伝統的建造物があります。

城下町周辺・町家などがあり宮川を渡り花岡廓が存在した。
高山の歴史・文化を伝える上では重要な事だと思います。
また、現在の古い町並み周辺の伝統建造物群指定区域より
宮川を挟むことにより100年の差がありますよと
裏付けるためにも貴重な建築だと思います。


まとまりが悪いですが、
この度、
『国登録有形文化財』に登録させていただく運びとなり
誠に有り難く受け止めております。


今回の有形文化財登録にあたり、
一番喜んでいるのは私の祖父ではないかと思います。
先代のおかげで今があると思うのと同時に
今後どのように受け継いでいくか?!荷が重い次第ではありますが
高山の歴史に残す建築として維持できればと考えております。


以上ご報告でした。


                                           「旅館かみなか」

Share to Facebook To tweet